以前おもしろいと紹介したNHKテレビドラマの「ハゲタカ」が先日終わった。なかなか良い終わり方をしたなと満足していたら、サッポロビールがスティールパートナーズに対してポイズンピルを発動させる準備を整えたというニュース。
ドラマの中で、(ここからはネタバレ)
実家の旅館の経営がバブルの後遺症で破綻し、そのせいで父親を亡くしてしまった若者がIT企業の経営者として名をはせた後、父親の復讐をするようにハゲタカファンドにマネーゲームを仕掛けるのだが、インサイダー取引で結局自滅してしまう。
そのときに、主人公のファンドマネージャー鷲津が若者に言った言葉が、(正確ではないかもしれないが、)
お父さんはちゃんと事業をして欲しかったのだと思いますよ。
だった。
このちゃんと事業をする、ということが、経営者にとってどれだけ難しく、深い重みをもつことか。ドラマはエンプロイー・バイアウトで希望に満ちた終わり方をしたが、本当はこれからである。すべては従業員の支持を受けた経営者がちゃんと経営できるかどうかにかかっている。
企業は、人間が協力して個人では決してできないことを成し遂げていくしくみの一つであり、その媒体にお金は重要な役割を果たしているが、あくまでそれは道具であり、手段である。
あまりにも便利な、よくできた道具であるために、想像を絶するような力を発揮するのだが、それをうまくコントロールして、人間の役に立つように変えるのも、また人間である。
資本の論理というのは、絶対的のものが存在するのではなくて、そのような人間の工夫のいままでの集大成にすぎない。当然、まだまだ未熟であり、改善の余地はたくさんある。また、ある状況に一つの方法しかない、ということはないはずである。
お金に人間が使われることがないように、お金を本当に大切なことをする手段とするように、コントロールすることにこそ、人間の知恵を使わなくては。
国産ビールを守れ、とか感情的なことを言っていないで、既存の下手な手段でとにかく現状を守ろうとしないで、まだ未熟であるはずの既存の手段を圧倒するようなスキームを日本の風土から考え出す、ということがあってもいいじゃないかと思う。
もちろん簡単なことではないけど。
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